2018年5月に北海道札幌市のギャラリー門馬ANNEXにて個展を開催致しました。
まだ晩冬のなごりがあり肌寒い時期ではありましたが、春の訪れ、やわらかな喜びを感じる季節でした。地元をはなれて20年余、全く無名な人間の無謀な試みでありましたが、ご来場いただきました方々、ならびに展示に協力いただきましたギャラリー門馬の大井様に心から感謝致します。
今回の展示は過去の作品から直近の作品を展示しましたが、また力を蓄えて新作をたずさえて地元での2回目個展にむけて努力していきたいと思います。
ごあいさつ
この度は高田陽子展 –微晶 ちいさなたからもの– へお越しいただきありがとうございます。 私は昔から漫画、アニメっ子で無駄に朝5時に起きては漫画を読んだり、アニメを見たり の毎日でした。最初は漫画家になりたいと思っていましたが、ものがたりをつくることが できなかったので諦め、小学校のころから図工と給食以外好きで得意と言えるものがなか ったこともあり、美術の道に進むことになりました。得意といっても競争の世界は厳しく 高校受験落ち、現役大学受験も落ちで、1年浪人をしてやっと美術大学に合格するに至り ました。ただ浪人時代の一年は楽しかった記憶しかないくらい輝かしい1年間でした。 19歳になる年に北海道を離れ、山形県にある東北芸術工科大学で日本画を学び、その後 沖縄県立芸術大学の研究生を経て大学院へ進学し、2003年修了後も沖縄の地で制作活動を 続けています。これはもはやスネかじり、親不孝の遍歴といっても過言ではありません。 沖縄への接点は高校の時修学旅行で沖縄を訪れたことがきっかけでした。そして大学2年 になる前の春休みを利用して沖縄西表島で住み込みのアルバイトをしたのですが、その約2 ヶ月間のあらゆる体験が「ここで制作活動するぞ」と決意させてしまい、今に至る次第です。 本当に単純思考で後先考えないのは昔も今も同じです。
最初は沖縄の自然の素晴らしさに惹かれて移住したのですが、沖縄の歴史、文化、人に触れ るたび、ますます離れられなくなっています。また私は宜野湾市に住んでいますが、夜10時 過ぎても上空に響き渡る騒音を聞くたびに沖縄戦と基地問題がまだ「かたわらにある」と実感 します。表現者の端くれとして、沖縄戦で大きな傷と哀しみを抱えてきたウチナーンチュ達 からの「命どぅ宝」の教えを心に刻み、表現を模索していきたいと思います。 「いきものは すこしずつ みんな似ている」なにげない命のいとなみにこそ大切な気付き、 上手な循環のプロセスが有ると感じています。 去年沖縄県北部地域に広がる「やんばるの森」へ取材しに行った際、ネイチャーガイドの方 が世界自然遺産の候補地であることに対して複雑な心情を話していました。完全なる「環境 保全」に重きをおくならば人の立ち入りを禁止するべきだが、「地域復興」「観光ビジネス」 などが頭をもたげていると。昨今モラルの無い観光客が多い為に地元住民とトラブルになり 封鎖した場所があると言っていました。「遺産」とは後世の人たちに今の美しい自然、そこに 生きる人々の「誇り」を今のまま見てもらたい、渡したい、「未来人へのギフト」という考え であるならば、厳格なルールが無いと現代人の欲望で食いつぶしかねないと懸念していました。 人間と自然、「ともに生きる」ためにはどうすればよいのだろうかと、最近絵を描きながら考 え続けています。頭がいい方ではありませんが、これからも勉強していきたいです。 まだまだ探求の途中です。絵筆を通して思考と思想を深めていけたらと思います。
プレスリリース1
プレスリリース1
プレスリリース2
プレスリリース2
DM omote
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DM ura
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■ギャラリー紹介
ギャラリー門馬
住所:札幌市中央区旭ヶ丘2丁目3-38​​​​​​​ 
ホームページ:http://www.g-monma.com/access
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